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2023年10月18日、政府は経済対策で介護職員の給与を月6000円の賃上げ案を軸に調整。
毎日新聞
このニュースについて、現役の介護職員の声としては
- 安すぎる!不十分!
- もらえるだけでありがたい。
- もっと抜本的な改革が必要!
などの声があがっています。
いつから?
2024年2月からアップする予定です。
年収72,000円のアップ
年収で換算すると、72,000円のアップとなります。
これが多いのか少ないのか判断できないですよね。
この記事では、客観的なデータに基づいて、この賃金アップが安いのか高いのかを考察していきたいと思います。
その他介護業界の労働基準法違反について、【残業編・有休編】の記事も書いています。
この介護業界にモヤモヤしている介護職の皆さん、ぜひ読んでみてください。
賃上げ率
2023年「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」によると、民間主要産業の賃上げ率は3.6%。
これに対し、介護関係団体で緊急に実施したR5年度調査によると、介護職員の賃上げ率は1.4%にとどまっている状態です。
月に6000円アップすることで、賃上げ率が民間産業と介護業界の賃金差をどこまで埋められるか。
仮に月収20万円の給与をもらっている民間産業の人がいたら、3.6%のアップとなると月に7,200円のアップです。
20万円の給与をもらっている介護職員が月6,000円アップするということは、3.0%の賃上げ率となります。
ということは、介護職員の月収が6,000円アップすると、民間主要産業と比較しても0.6ポイントの差まで埋めている状態ということです。
それでは今回の介護職員の賃上げにより、賃上げ率が民間主要産業並みになるのか。
ところがそうではありません。
そこで見る必要があるのが、「介護職員の平均月収」です。
介護職員の平均月収
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇等調査結果」によると、 介護職の平均月収は31.8万円 です。
これを6,000円の賃上げで、賃上げ率にどのくらい影響を与えるのか。
給与 | 賃上げ額 | 賃上げ率 |
20万円 | 6,000円 | 3.0% |
平均月収31.8万円 | 6,000円 | 1.88% |
給与 | 賃上げ額 | 賃上げ率 |
20万円 | 7,200円 | 3.6% |
30万円 | 10,800円 | 3.6% |
たった1.88%の賃上げ率です。
賃上げ率3.6%の世界
平均月収31.8万円の介護職員が、民間主要産業と同じ賃上げ率3.6%だったとしたら…
月当たりの賃上げは、11,448円です。
つまりこの度の介護職員の月収アップの話ですが、「11,448-6,000=5,448円不足している。」ということです。
「6,000円が妥当」発言の考察
武見敬三厚生労働相は19日、人手不足が生じている介護職員の賃上げについて、「(月)6000円程度がおそらく妥当だ」との考えを示した。
日本経済新聞
この発言によって介護職員がお怒りに……
ですが、「賃上げをすること自体に対して言ったのであって、金額が妥当と言ったわけではない」と後日釈明。
実現可能性
6,000円は明らかに安い気がします。しかし、いきなり全国の介護職員に11,448円あげたとしたら。
その分何か負担が増えるという部分も生じることと思います。
そういった実現可能性も踏まえて仰った言葉なのかもしれませんね。
今後の賃上げ率
連合は20日、2023年の春季労使交渉で、基本給を一律に上げるベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ要求を5%程度にすると発表した。28年ぶりの高い要求だ。物価高を受け経営側も賃上げに前向きだが、円安の影響は企業によって異なり、横並びは難しい。
R5年10月20日 日本経済新聞
賃上げ率5%以上とは
先ほどの介護職の平均月収で計算してみると、
31.8万円×5%=15,900円
今回の6,000円の賃上げを含めて計算すると、
32.3万円×5%=16,150円
全額もらえたとすると、32.3万円+16,150円=339,150円
結果
少しずつではありますが、介護職員も賃上げはされています。
急な賃上げはできないようなので、理想とする賃上げ率と給与。
介護職の処遇が改善され、「介護業界からの離職を防止する」という目標が実現しますように……。
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