せっかく勇気を振り絞って退職したいことを上司に伝えても、
「人手不足なんだから、代わりの職員が入ってからじゃないと退職できないよ。」
「お前がここ以外の職場で、やっていける訳ないだろ!」
「今忙しいから、また今度話を聞くから。」
などと言われて結局退職ができない……
これはどこの業界でもあることですが、特に未成熟で人手不足の介護業界、上司のアホさも加えて絶望してしまうことだと思います。
しかし、労働者には「退職の自由」が法律で定められています。
職場のルールや就業規則、アホな上司の大声よりも、法律の方が圧倒的に強いですので、絶望しなくても大丈夫です。
介護職員を物のように扱ったり、「福祉なんだから我慢しなさい!」などと、やりがいを搾取するような介護事業所からは一刻も早く退職しましょう。
介護職員が退職を引き止められた時の対策方法とは
引き止めに合わず退職できる方法の結論は、『退職することには揺るぎなく、すでに決定事項ということ』をしっかり伝えることです。
一番ダメな退職を伝える方法として、何も準備をせず上司に相談する方法です。
「相談があるんですけどいいでしょうか? 私退職を考えているんです……」
この言い方だと、100%引き止められます。
退職したいことを、はっきりと伝えることができていません。
「お話があるのでお時間をとらせてください。」と、事前にアポイントをとる。
「突然で申し訳ありませんが、○年○月○日に退職させていただきます。」と、はっきりと退職の意思を伝える。
この言い方であれば、上司は「あ、決意が固いや……」と感じます。
上司があきらめる、上手な退職理由4選
退職の意思を伝えた後、上司からは必ず理由を聞かれます。
「人間関係が悪かった?」
「職場に何か不満がある?」
「何か嫌なことがあったら、私から施設長へ伝えるよ?」などなど。
その際の上手な理由は以下の4つですので、参考にしてみてください。
- 以前から挑戦したかった異業種への転職。
- 親の介護をすることになった。
- 実家の家業を継ぐことになった。
- 体調不良
これら理由の詳細な解説は、下の記事にありますので、ぜひあわせて読んで対策していきましょう。
こんな退職理由は絶対NG!!
上司に伝える退職理由として、絶対NGな理由は『職場環境』です。
下に挙げた理由ですが、挙げればキリが無いほど職場への不満は出てくると思います。
- 給与が低い
- 人間関係が悪い
- 人手不足で、業務負担が強すぎる
- 夜勤がしんどい
- サービス残業が横行している
- 休日の会議参加を強制させられる
- 休憩時間がご利用者を見守りながらとる(休憩時間ではない)
- 有休が取れない
ただ、この不満が退職理由だと伝えるのはNGです。
なぜならこれを聞いた上司は、その場しのぎの調子のいいことを言うからです。
「給与の件は、私から施設長に伝えておくから。」
「君にはこの職場に残ってもらいたい。休憩が取れるように業務改善をしていくから残ってくれ。」
「夜勤の回数を減らすから。」
「人手不足は今募集をかけているから、いずれ改善されるから」
などなど……引き止める口実もキリが無いほど出てきます。
そしてこの口約束や未来への期待は、決して実現することはありません。
ただ単に、期待して働く時間がもったいないだけです。
こういった、職場環境の悪さを退職理由に伝えるのは、本当のことであっても伝えるべきでは無いので気をつけましょう。
書面の提出について
上司に退職の意を伝えるのは口頭だけではダメです。
必ず書面で届出を提出しましょう。
そして、「退職願い」ではなく「退職届け」を出すほうが良いです。
退職願いは「退職してもいいですか?」と、退職を相手にお願いするスタンスです。はっきり言って引き止める隙だらけです。
その点退職届けでは「私は○年○月○日に退職します。」という宣言ですので、上司から見ると隙がありません。
絶対に退職したいと考えている方は、必ず退職届を提出しましょう。
脅される場合の対応方法
退職届を出しても、「人手不足がわかっているだろ!あと半年続けないと、懲戒解雇するぞ!」
「こんな状況で退職してご利用者の対応ができず転倒したら、損害賠償を請求するぞ!」
「人手不足で施設が倒産したら、訴えてやるぞ!」
などと脅すことで退職を引き止めようとする上司がいます。
違法な懲戒解雇は、6ヶ月以下または30万円以下の罰金が課せられます
そもそも、労働者を懲戒解雇することは、会社にとってかなりハードルが高いです。
会社には『解雇回避義務』があり、解雇にあたるようなことを労働者がしても、何度も何度も注意をしたり、あらゆる配慮を行なってようやく解雇が認められます。
もちろん就業規則に懲戒解雇のことが書かれていなければ、会社が懲戒解雇することはできません。
そもそも就業規則のない会社も同じです。
そのため、退職届を提出したからとって、上司の感情に任せて「解雇だ!」というのは、社会通念上合理性を欠いているため100%できません。
そんな法律を知らないアホな上司には、「一方的な懲戒解雇は違法なので、6ヶ月以下または30万円以下の罰金が課せられるのを知らないんですか?」と、伝えましょう。
介護職員の退職で損害賠償請求はできない
人手不足の介護業界、そんな状態で退職すると施設に不利益が発生します。
その不利益に対して損害賠償請求をすると言って、退職を引き止める上司もいます。
基本的に2週間前までに退職届を提出すれば、労働者側の退職は違法ではありませんので、会社が損害賠償請求をすることはできません。
他にも「うちは就業規則で2ヶ月前までに届出ないと退職できないから」と退職届を戻されると言うことも、完全に会社側の違法行為です。
損害賠償すると言って脅してくるような上司には「私は違法なことはしていないので、会社側が損害賠償請求をすることはできませんよ。逆に違法な退職の引き止めを行っている会社側を訴えますよ?」と言ってやりましょう。
有期雇用契約の場合
2週間前までに退職届を提出すればいいのは、無期契約職員のみの話です。
有期雇用契約の場合は違法になることもあり、本当に損害賠償しなければならなくなることもあります。
しかし、1年以上勤めている場合は、違法にはならないですので損害賠償する必要はありません。
退職の自由
冒頭にも書きましたが、労働者には「退職の自由」が法律で定められています。
会社のルールや就業規則、アホな上司の大声よりも、法律の方が圧倒的に強いです。
一般職と比べ、介護業界は未熟な業界です。
当たり前のように違法な退職の引き止めがあるので、退職したい場合はあらかじめ言うべきことを考えておきましょう。
過酷な労働環境から抜け出し、少しでも良い環境で楽しく介護職員として働けるように祈っています。
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